雲に乗りたい
本物の雲に乗りたいという願いはかなわない。なぜなら物理的に不可能だからだ。雲は空気中に浮かぶ水や氷の粒だから人間の体重を支えられない。しかし、無理だからといって雲にのりたいという願いを諦めてよい理由にはならない。でも、もしも本物の雲に乗れたとしてもあまり嬉しくないかもしれない。落っこちるかもしれない恐怖を感じなければならないし、航空法のことを意識しなければならない。地上にいる人たちのプライバシーを尊重する必要があるからどこにでも飛んで行けるわけではない。上空は寒いだろうし、雲の中ではびしょ濡れになるだろう。どうやって雲から降りるか考える必要がある。何時まで雲に乗っていられるのか知るために時間を気にする必要がある。そんなのは嫌だ。もっと自由に何も考えず雲に乗りたいのだ。
のんびりと、ふわふわと、ぼーっとする
よく考えてみると、本物の雲に乗るよりも雲に乗った気持ちになるほうが大事なのではないかと思えてくる(筆者個人の見解です)。私にとって雲に乗るとは、のんびりふわふわ漂いながら目の前を通り過ぎてゆく景色をぼーっと眺めることだ。だったら本物の雲に乗らなくてもいい。
VRを使って雲に乗った気分になる
世の中にはVRという便利な道具がある。VRを使うと映像の中に入り込んだような気分になる。今回はVRを使ってあたかも雲に乗っているかのような気分になることにする。
VRで足りない分は想像力で補う
VRを使っても目と耳以外は雲に乗った気持ちになってくれない。VRでごまかせるのは目と耳だけだからだ(目と耳以外をごまかすVRがあるかもしれないけどよく調べてないから知らない)。そこで今回は布団を雲に見立てることにする。布団に寝っ転がりながらVRを体験する。ついでに扇風機でそよ風を吹かせる。
作り方の概要
今回は簡単のために音を扱わない。映像だけ作る。
今回はUnityの2019.4.7f1版を使ってVRを作る。2019版からAndroidアプリ用のapkファイルを作るのが簡単になったから2019版を使った。
ヘッドマウントディスプレイにはGoogle Cardboardを使う。Google Cardboardは家にあったから使った。
簡単のために雲は白い円盤とする。本物の雲を再現したいわけではなく、乗れる想像上の雲を作りたいので白い円盤で十分だと判断した。雲は視点の真下に配置する。
雲に乗りながら眺める景色はピラミッドとする。四角錐は作るのが簡単だからだ。UnityのProBuilderという機能を使って四角錐を作る。
雲はピラミッドの周りをゆっくり一周する。このときピラミッドの方を向き続けるようにする。
Unity上で作ったVRを実行した様子を下図に示す。図の中央付近に黄色いピラミッドが写っており、中央下部に雲の端っこが写っている。
Androidスマホで試す
Unityでapkファイルを作りAndroidスマホにインストールして試してみた。そのときのスクショを3枚示す。
感想
割といい感じだった。ただし雲に視界を遮られると嫌なので、雲を半透明にしたり穴だらけにしたりするなどの工夫が必要だ。欲を言えば、もっと色んな景色が見たい。ドローンに全方位カメラを取り付けて撮影した動画をVRに組み込むといいかもしれない(どうやって組み込むのか知らないけど)。またはGoogle Earth VRに雲を追加して乗るといいかもしれない(どうやって追加するのか知らないけど)。加えて、布団が硬かったのでもっとふわふわの布団が必要だ。敷布団ではなく掛布団に寝っ転がればいいかもしれない(夏だから分厚い掛布団は押し入れに仕舞っちゃったけど)。
あと雲とは関係ないけどVR製作過程で色々と不具合が多発して面倒だった。気軽に雲に乗れるようになってほしい。