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なんか書く

Go To 闇鍋

この記事は2019年3月に行われた闇鍋の様子を記録したものである。

暗闇に鍋の図

暗闇に鍋の図

皆さんも闇鍋をしたいですよね。その気持ち、分かります。でも闇鍋は密にならなければできません。今はCOVID-19の感染拡大防止に努めましょう。闇鍋ができるようになるまでもう少しがんばりましょう。

謝辞

闇鍋会を企画し高級食材をたくさん鍋にぶち込んでくれたJ氏。家を闇鍋会場として使わせてくれたM氏。当日急に参加させられたがよく分からない食材を用意してくれたS氏。だしを入れることで闇鍋をおいしくしようと試みた(が失敗に終わった)A氏。においをかいで臭そうな顔をしていたP氏。皆に礼を言わねばならない。とても楽しい闇鍋をありがとう。もう二度とやりたくないけど。

ルール

参加者の1人が素晴らしい企画書を作ってくれた。その企画書に則って闇鍋は作られた。企画書に書かれたルールを簡単に説明する。まず闇鍋に入れる食材は常識の範囲内で食べ物であること。そして食べ物を粗末にしないこと。つまり毒を入れてはいけない。人の家の中で開催するためにおいがきつ過ぎる食材は避けなければならない。また、最後は自分で食べなければならないことを考えて食材を選ばなければならない。

作り方

暗闇の中では視界が悪くなり火傷などの危険がある。危険を避けるために以下の手順で闇鍋を作った。

  1. 鍋に鍋の素を入れる
  2. 火をつけない状態で部屋の明かりを消す
  3. 1人ずつ順番に鍋に食材を入れる
  4. 鍋にふたをする
  5. 部屋の明かりをつける
  6. 吹きこぼれないか注意しながら煮込む
  7. 鍋が煮立ったら火を消す
  8. 部屋の明かりを消す
  9. 鍋のふたを開ける
  10. 食べる
  11. 茶碗一杯食べ終わったら部屋の明かりをつける
  12. 闇鍋の様子を目視で確認する

当日の様子

夕方に一度集合したあと、再び集まる時間を決めて各自が食材を購入しに色々な店に散らばった。中には事前に食材を集めていた人もいた。参加人数が多かったからか、食材が鍋に入りきらなかった。よって2回に分けて闇鍋を作った。

評価

臭い。まずい。

暗闇の中で食材を順番に鍋に入れているとき、他の参加者に対する信頼感は消え失せた。いったいこいつらは何をたくらんでいるんだろうと疑う気持ちで一杯になった。

闇鍋を煮込んでいるときにすでに部屋中に刺激臭が充満しており、食べる前から自分たちが何をしてしまったのか気づいて恐怖に震えた。

暗闇の中で正体不明の臭い物体を口に入れる恐怖は半端ではなかった。本能が拒絶反応を起こしたが、根性で食べた。

闇鍋を食べた後に食べた普通のごはんがとてもおいしく感じられた。

意外だったこと:量

まさか2回に分けて闇鍋を作らなければならないほど食材の量が多いとは思わなかった。みんな気合を入れ過ぎた。

意外だったこと:色

2回とも茶色になった。特に2回目はスライムカレーにより鍋を青くしようと試みた参加者がいたにも関わらず茶色くなった。

闇鍋1回目 スタッフがおいしくいただきました

闇鍋1回目 スタッフがおいしくいただきました

闇鍋2回目 スタッフがおいしくいただきました

闇鍋2回目 スタッフがおいしくいただきました

うんちは茶色である。よって闇鍋はうんちであると我々は結論付けた。しかしこの結論は稚拙であると言わざるを得ない。その場にいた参加者全員が学問を志す者であるにも関わらずこのような根拠に乏しい考察しか導けなかったことは反省しなければならない。

有意義な教訓も得られた。もしも闇鍋の色を茶色以外にしたいのであれば、着色料をかなり多めに入れる必要がある。

意外だったこと:におい

人の家で闇鍋を作るためにおいがきつ過ぎる食材は避けたにもかかわらず、闇鍋から刺激臭がした。その刺激臭が部屋中に立ち込めた。そして窓から刺激臭が流れ出した。近所迷惑である。

意外だったこと:味

参加者全員が工夫をこらして食材を用意した。しかし全ての食材の個性は闇鍋の中で混ざり合い、互いに殺し合い、かき消された。結果的に得体の知れぬ味になった。

意外だったこと:白

白い食材は暗闇の中で目立つ。白は恐ろしい色だ。

特にパン類はひどい。色が白っぽいため薄ら明かりの中でぼうっと光る。そして臭い汁を吸ってベチョベチョになる。

意外だったこと:酸味

暗闇の中で酸味は腐敗の味と区別がつかない。闇鍋を食べながら命の危険を感じた。

余談

飲むテンガを闇鍋に入れた参加者がいた。しかし、幸か不幸か闇鍋会場は淫夢にならなかった。

後日談

闇鍋会の後しばらく経ったある日に偶然立ち寄ったある店で私は南国風のハンバーガーを食べた。一口食べたとき、最初は何が起きているのか分からなかった。しばらくもぐもぐしていると突然あるものを思い出した。そう。闇鍋である。ソースの味がまさに闇鍋の味と同じであった。さすがに闇鍋の刺激臭はしなかったが、ほぼ闇鍋であった。食べ終わってから闇鍋会の他の参加者に報告した。他の参加者もこのハンバーガーは闇鍋であると同意した。ところがネットでそのハンバーガーの評判を調べてみたところ、おいしいと述べている人が大半であった。たしかに世の中には闇鍋を経験していない人の方が多いのでおいしく感じる人が多くても仕方がないと言える。残念ながら我々闇鍋経験者はその経験ゆえにそのハンバーガーをおいしく食べることができなかった。そのハンバーガーは闇鍋経験者と非経験者を選り分ける現代版の踏み絵と言えよう。

闇鍋は必然

よく考えてみると、私が闇鍋会に参加したのは必然だったようだ。私が小学生だったころ、ハリーポッターが大好きであった。給食の時間には魔法薬と称してお椀に牛乳を含む全ての料理を入れて混ぜてから食べていたものだ。かつて魔法薬を作って喜んでいた経験が約10年の時を経て私に闇鍋をさせたのであろう。ただし闇鍋がこんなにも臭くてまずいとは予想していなかった。私の記憶によると給食で作った魔法薬はおいしかったのだ。やはり過去の成功体験(おいしかった魔法薬)にいつまでも囚われ続け(て闇鍋を作)るのはよくないのである。

反省

我々が食べ物を粗末に扱っていた時に世界中でたくさんの人たちがおなかをすかせて苦しんでいたことを考えると涙が止まらない。

1回目の闇鍋に入れた食材

最後に鍋のレシピを紹介する。1回目の闇鍋には以下の食材を入れた。

  • 牛肉
  • ウインナー
  • はるさめ
  • あおさ(千葉県産)
  • ヨーグルト

2回目の闇鍋に入れた食材

2回目の闇鍋には以下の材料を入れた。

(筆者注:雪見だいふくスティックは食べ物ではないと突っ込まなければならない。)

  • サバの味噌煮
  • せんべい
  • ドーナツ
  • 本だし(味の素)
  • ミートソース
  • とろけるチーズ

恐ろしすぎて個々の食材についてコメントする気にはなれない。