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早稲田大学の機械科学・航空学科と総合機械工学科の違い

よくある質問

早稲田大学の機械科学・航空学科と総合機械工学科は何が違いますか?

答え

早稲田大学には機械科が2つあります。基幹理工学部の機械科学・航空学科(通称:機航)と創造理工学部の総合機械工学科(通称:総機)です。もともと機械工学科という1つの学科でした。それが分裂し2つの学科になったため、同一の内容を学ぶ授業が多いです(授業は別々に行われます)。しかし研究面、教育面の双方において大きく異なります。

研究面における最大の違いは、機航ではロボットの研究は行われていないことです(例外あり)。対して、総機では航空機の研究は行われていません(例外あり)。重複している研究分野もありますがあくまで違う学科なので研究分野が全て一致するわけではありません。また、機航は数理科学が基本となっており、総機では実学を扱っています。
教育面における顕著な違いは、機航は基礎(または理論)を重視し、総機は実践を重視することです。機航の学生は1年次にはまだ学科に配属されていません。(基幹理工学部の学生は2年次から学科に配属されるため)。そのため1年次は専門科目を学びません。また、専門科目の授業は全て日本語で行われます。一方で総機では実践を重視する傾向にあるため、体験型学習とグループワークが多いです。1年次から専門科目を学び、専門科目の授業では英語で書かれた教科書を使う例もあります。

加えて、研究室配属時期についても違いがあります。機航では4年生で、総機では3年生で研究室に配属されます。

ここから私の偏見も含めた両学科の印象を列挙します。

機航では基礎的なことをしっかり学べます。そのため教え方がうまい先生が多く、教育面で比較すると優れています。しかし実践性が弱く、授業で習うことが実際の研究にどのように結びついているかが分かりにくいです。また、1年次は学科に配属されていないため、これから自分とは別の学科に進む知り合いができます。しかし一般に大学生同士の人間関係は希薄なので過度な期待しないほうがいい、というのが私の持論です。加えて、悪い点を挙げるなら、レポートは手書き指定の場合が多いです。専門について述べると、制御工学は使うものであって研究するものではないという考えがあるようです。(2019.11.29追記 分野によります。制御工学を研究している研究室もあります。教授によって制御工学に対する考えが異なるようです。)対して材料・流体・エネルギー・応用数理が強いです。実学は誰にでもできるのだから大学から教わるのではなく自力で学べという方針のようです。また、ある分野の専門家を育てたいという考え方を基にしたカリキュラムが組まれており、そもそも現場技術のような仕事は大卒の人間がやるべきではないといったポリシーのようです。

総機では実践的な技術と知識がたくさん身につきます。しかし教授陣は学生に理解してもらおうとは考えてないようです。付いてこられない学生は振り落とされるため、並みのやる気、能力しか備えていない人は有能な人にへばりついて大学生活を乗り切ります。また、課題が多過ぎて早稲田理工の忙しい学科ランキングでトップ3に入るくらいです(ただし、バイトとサークルをやるくらいの余裕はあるみたいです)。学生の進捗を鑑みず、次の課題が課されます。(2020.7.31追記 成績上位者でさえ他の人と協力し合わなければ課題の洪水を乗り切れません。)授業面での特徴は、グループワークが多く、学科内では仲良くなりやすいことが挙げられます。しかしグループで共通の制作物をつくる、発表をするといった場合に、有能な人ほど不満を持つという事例もあります。実践を重視しているため、授業で習うことがどのように研究に結びついているか教えてもらえますが、ロボットを前面に押し出しているのでロボットに興味ない人またはロボット以外の分野の研究室に入る人にとっては興味を惹かれないかもしれません。教育方針としては、大学では実学を大量に教えるから興味を持った分野の理論は自力で学べという考えを持っているようです。学生を専門家にはしないかわりにあらゆる分野をつまみ食いさせることで社会に出て様々な場面で助言できるように育てたいらしいです。また、授業名がカタカナで表されているので驚きますが、直訳すればただの機械工学科の授業です。カタカナのほうが格好良いという理由でしょうか。長々と述べましたが、一言で表現するなら「総機は社畜育成学科」です。

(注)この記事は機航B3と総機B3の数名で書きました。当たらずとも遠からず、いや、だいぶ近いと思います。

参考にするといい文献

www.waseda.jp